前から歩いてくる男性がポロッと何か落とした。
気づかないまま男性は私の横を通り過ぎた。
数メートル先のそれを拾いに走る。
サッと手を伸ばして拾おうとした時にそれが靴下をクルンと丸めたものだと気がついた。
よくある左右をクルンとまるめた靴下。
えっ、靴下?ちょっとやだなでも気がついてしまったしと決意して素早く手に取りかなり先まで歩いてく男性の方に走った。
走ることなんてほぼない私が走った。
やっと追いついて「落としましたよ」とそのクルンと丸まった靴下を差し出すと
「違います、僕のぢゃないです」
え?
「違います」
えっ?えっ?そうなんですか?どうしようこれ
「元のところに置いた方がいいんじゃないですか?」
えっ?えっ?あ、はい
せっかく触りたくない靴下を拾ったのに違うと言われてしまった。
ポロッと落としたはずなのに。
なんで?なんでなの?
見間違いか。
落としてない?蹴飛ばしたのかな。
少し高くなったコンクリートの上にクルンと丸まった靴下を置いてその場を去った。
親切のつもりがw
今度からはもう確信持てない時は良心打ち消して見なかった事にしよう。
走ったのに。
あんなに必死で走ったのにと思ったら笑えてしまう。
凄く速かったはず。
全然関係ない靴下のためにw