毎年
開花宣言とともに脳裏によぎるのは
桜の樹の下 には 屍 体 が 埋まっている
桜の樹は
その 屍 体 から 血を吸い上げて 薄紅色 の 花を咲かす
桜の花の妖艶さは
きっと 奇 怪 で 恐 ろしい 出来事 の 代 償 として
与えられたものに違いないと
そして
美しい桜の花を愛でることは
やがて 不 幸 を 呼び寄せる ので はないかと
恐 怖 に 似た 罪 悪 感 を 抱 いてしまう
梶井基次郎さん
の
「桜の樹の下には」
を
思いだし桜を眺めながら
美しい物に触れた時
反対に自分の邪悪さに気付かされる瞬間かと