私が生業として生きている
風俗の世界は灰色に塗れている。
決して悪い意味ではなく…
白も黒も許すような
それら全て内包して受け入れているような…
私の生きる風俗の世界は、そんな色。
人間性も性格も本能も理性も
女も男も真ん中も全部。
ボーダーラインすら曖昧な灰色は
滲むことすらなく平等だ。
そして私が生業として生きている
灰色の世界は
誰にとっても『 安心できる逃げ場所 』
でなくてはならないと想っている。
どんな素晴らしい人だって
逃げ場所を求める時がある。
それこそ人生と言う旅路で歩き疲れた時や
心が乾いて潤いが欲しい時も。
不意に目の止まる場所
不意に想い出した場所。
人生には必要悪でも周り道や寄り道が
どうしても必要な時がある。
だから人生の逃げ場所を
持たない人は常に彷徨う。
朝を嫌悪し、昼に怠惰、夜に疲労する。
心を侵食するように暗い影が広がり続け
じわじわとゆっくりと蝕まれていく。
暗い部屋の片隅で
朝を待つ夜は余りにも長い。
その時間が私には何より息苦しかった。
洗脳するかのような逃げ場のない言葉は
ゆるりと首を締めていく。
愛の欠片すらない言葉に抵抗できる
わけもない。
でも逃げ場所もないのだ。
私は素晴らしい人間になどなれない。
素晴らしいと決めるのはいつだって
自分ではない誰かだから。
善悪に価値を求めるようなことも
無理に微笑むこともしなくて済む場所。
他愛のない話ができるだけで
幸せだと思えるような場所や時。
あなたにも逃げ場所があるといい。
愛に囲われることで幸せを得るような
自由を保証されることで楽しめるような。
そんな居場所。
誰もに平等に過ぎる人生と言う時間の中で
ほんの少しでも泣けるような場所が
誰にとっても、あればいい。
そして、そんなアナタの人生の逃げ場所の
1つが私であったら嬉しい。