ツキイチお友達の訪問により急遽連休になり時間が出来たので、小説を読みました。
『痴人の愛』
大正時代に書かれた、谷崎潤一郎の作品です。
物語のあらすじは
大正時代に書かれた、谷崎潤一郎の作品です。
物語のあらすじは
きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて15歳で引き取った美少女ナオミを、16歳になった時に妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。
すごい刺激を受けました
苦しいのに求めてしまう。虐げられることで愛が強くなり、虐げられ、服従すること自体が愛になってゆく「マゾヒスト」の内面を、読者が当事者として感じ取って苦しくなるほどの描写で表現されています。
苦しいのに求めてしまう。虐げられることで愛が強くなり、虐げられ、服従すること自体が愛になってゆく「マゾヒスト」の内面を、読者が当事者として感じ取って苦しくなるほどの描写で表現されています。
以下、作品の終盤に出て来るシーン抜粋です↓
忽《たちま》ち彼女は猛然として、図太い、大胆な表情を湛《たた》え、どしん[#「どしん」に傍点]と私の背中の上へ跨《また》がりながら、
「さ、これでいいか」
と、男のような口調で云いました。
「うん、それでいい」
「これから何でも云うことを聴くか」
「うん、聴く」
「あたしが要るだけ、いくらでもお金を出すか」
「出す」
「あたしに好きな事をさせるか、一々干渉なんかしないか」
「しない」
「あたしのことを『ナオミ』なんて呼びつけにしないで、『ナオミさん』と呼ぶか」
「呼ぶ」
「きっとか」
「きっと」
「よし、じゃあ馬でなく、人間扱いにして上げる、可哀《かわい》そうだから。」
19歳の妻と、32歳の夫のやり取りです。
ここだけを切り取るとSMごっこしてるだけみたいですが、最初から読んでここを読むとかなりゾッとします。
そして作者の谷崎潤一郎はマゾヒストだったそうです。文才のあるマゾ様のおかげでこの作品が生まれ、執筆された100年後に風俗に従事する者がマゾの方も心情も少し知ることが出来た。性の世界の感じ方に深みが増す。
これも文学の素晴らしいところですね。
私は風俗嬢ですので、プレイテクニックも大切にしていますが、性に対する感性を磨いてゆくことで、あなたとご一緒させて頂く時間の深みが増して行ったら嬉しいな。
以前私に会いに来て下さり、私の足を舐めて、顔に唾を吐いてビンタしてほしい(もちろん、させていただきました)と仰ったあの真正マゾの方は、お元気にしていらっしゃるかな。
あの時は私の感性が浅く「SMごっこ」になっちゃったかも知れないですが、『痴人の愛』を読んで少しアップデートされた私なら、もっと心から虐げて差し上げられそうな気もします
「我こそはマゾヒストです!」という紳士様、よろしければ虐げられに来て下さいね