噂によると、星への侮辱のために電飾があるというわけではないらしい。
では、この天井を見上げると光っている土蛍のような機械は、何のためにあるのだろう。
大きな駅の駅前通りは混みに混んでいて、今にも道ごと浮き上がって丸の内へでも行きそうなほどに通勤交通じみていたが、一瞬それが、凪かなにか吹いたように途切れる時間があって、私はその中心に立っていた。
私は光の垂れてくるところに手を掲げてみる。ふらふらと、交尾後のように偽の聖霊が降りてくる。星よりもあえかな、金のにおいがするそれを、私はぐおらっと掴んでぱきぱきのくしゃくしゃにしてしまった。
手を開くと、「×駅前商店街 いつまでも耀ける賈の力 取り巻く棟々を惑星たらしめよ」と、ふしぎな文字で書かれている。なにがどうして読めたのかさっぱりわからない。そして驚いたことに、最初から商店街の人々には夜空が見えていなかったのだということがはっきりと解った。これは星への当てつけではない、めしいたる者のための星図である。
町田に帰ってきた。電飾がない。私たちにはまだ、もう少しだけ星とともに生きる時間が残されていたからだった。
はい今日の謎エッセイでした
今日は20:30-6:00で出勤しています
明日も18:00-6:00でいますからね!