定時で帰れるわけもなく
上司からの指示とクライアントからの要望で
頭がパンクしそう
みんな自分の言い分ばっかり…
はぁ〜イライラ…
こういう時は…
小雨が降り蛍光灯が時折点滅する非常階段で
ひとり煙と休息を共にする
変わらない現在と
人にいい顔ばかりする自分に苛立ちを隠せない
それでも
この瞬間はどうでもいいと現実を忘れられる
雨音とが増すとともに階段を駆け上がる靴音
体の大きさには全く足りていない
ビジネスバッグを頭に抱え傘がわりに走ってきた
彼が言う。「お疲れ様です!先輩!」
息を切らしていても
そのデカい声と屈託のない笑顔は変わらない
私は高まる鼓動を深呼吸で抑え込み
落ち着いた面持ちで言ってやるのだ
「お疲れー、一緒に休憩してく?」
つづく…かも
さゆり。